2023年3月17日から27日までの11日間、キリスト教独立学園高等学校(※)の生徒2名が無茶々園での農業体験に来てくれました。農家、斎藤達文の農園で過ごした感想文を紹介します。
左:天明あかねさん 右:木下結衣子さん
木下結衣子さん
私は11日間の農業体験を通して新たな出逢いがたくさんあったなと感じています。それは景色だったり植物や海の生き物、これまで体験したことのない作業や地域で暮らす方々の生き方と、様々なものがありました。
無茶々園に来ようと思ったのは普段経験できない作業や地域の方との関わりを通してこれまで出逢ったことのないものと出逢えたらいいなと思ったからです。在学している高校で大切にしているものの中に「労働」と「天然」があります。自然とともに生活することは決して楽なことではないけれど学ぶことが沢山あるなと気付かされ、知らない地域ではそこならではの自然と生き方があるのではないかと思いました。
11日間、かんきつの収穫や苗植え、除草や選果のお手伝いなど、沢山の事を体験させていただきました。その中で食べ物が作られる背景を知り、「知ることは」大切だということに気づくことができました。今までは普段から食べているものがどんな風にどんな想いが込められて作られているか考えることなく食べていたように思い、今回一部であるけれど知れて良かったと思います。また、働くことと生きていくことが直接、強く結びついていることを改めて実感しました。「労働」が大切にされている学校だけれど、これまで私はあまり働くことについて考えないで作業してきたように思いました。
今回無茶々園で作業をして、生きていくために働くことがどんなことか考えるきっかけになりました。他にもわかめや貝などの海の幸を自分で採り、食卓でいただけた事、無茶々園に行っていなかったら出逢う事がなかった方々と色々お話ができた事、様々な人とその人の生き方について知れた事・・・今回、無茶々園での経験と出逢い、そして農業体験を受け入れてくださったことに感謝しています。
天明あかねさん
私は無茶々園でいろいろな人と出逢うことができた。明浜にある温かくておおらかな雰囲気に包みこまれているここの人達は皆自由に生きていた。ここにいる一人一人に物語があった。それはやはり誰でもwelcomeな無茶々園だからこそなのだろうか。この場所へこれて本当に良かったと思う。ここに広がる風景はずっと憧れていたものだった。暑い陽射しと青い海、山の緑とそこに散らばるみかんの色。作業中にふとあたりを見回す度にこれは本当に現実なのだろうかと思った。それでもやはりここに11日間来たことは現実だった。
その証拠に私はここで食べた数々の美味しいもの達を記憶している。たくさんの魚、作業中に食べていた甘夏やいろいろな種類のみかん、磯でとった貝たちそして毎日いただいたご飯。特に魚は私の中にあった今までのイメージが崩されて「魚はこんなにおいしいものなのか」と思ってしまった。私がここに来て心に残ったのは「人がどうこうしたところでみかんの木はちょっとやそっとで変わらない」という言葉。本当に人の力は自然の力には及ばないんだなと思った。潮の満ち引き、そしてそれによって現れる磯にいる生き物達。この世界はこんなにもたくさんの命が満ちているんだと思った。
また、私はみかん畑と段々に作られた石垣を見て人が作り上げる「風景」の凄さにも圧倒された。そこには「人」と「自然」が織りなす景色が広がっていた。そして私はそこに人よりも自然よりも大きいなにかわからない力が働いているようにも感じた。
11日間実習をさせていただき本当にありがとうございました。あたたかい人達がいるこのみかん畑の広がる地で作業ができ本当に楽しかったです。
※キリスト教独立学園高等学校は山形県にあり、全寮制、普通科の高校で、生徒数は約70人という小規模な学校です。聖書を基盤として真理を求め、囲まれた大自然の中で生きるための労働をし、 独立人となることを目指して生活しています。
(キリスト教独立学園高等学校HPより抜粋)
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