無茶々園らしいポン酢とはどういうものか。せっかく作るのであれば、原料で最も割合の多い醤油にこだわらなければならないと思い、愛媛県大洲市にある梶田商店さんと共同開発を行いました。大手スーパーで活躍していた梶田泰嗣社長。自らのアトピー体験から自分が扱っている商品が本当に体のためになるのか、売れればそれでいいのかという疑問を持ち、実家である醤油蔵を継ぐことを決断した熱き人です。今回は梶田さんに醤油作りへの思いとポン酢開発の経緯を語ってもらいました。
愛媛県大洲市で「巽醤油」と「たつみみそ」を醸している梶田商店と申します。私達は地元愛媛の原材料を優先的に使用し、出来るだけ生産者さんの顔や想いがわかる原材料を使っています。巽醤油では全ての桶毎に大豆・小麦の生産者・品種を把握し、製造方法は食品添加物の使用を控え、自然と調和した中で負荷や無理をするのではなく、天然醸造で美味しいものづくりを行っています。決して私たちは特別なことをやっているのではなく、「食は命を育むもの」であり、「食は未来の自分に対する最大の投資である」と考え、医食同源はもちろん、私たちは醤油味噌製造業を通じて、お客様の命に関わる仕事をさせていただいていると考えます。
今回、無茶々園さんと一緒に仕事をさせていただくことは本当に嬉しく、長年の夢でした。最初にポン酢製造の話をいただいてから随分と待っていただいたと感謝しております。ポン酢製造にあたり最初に私達が危惧したのは、供給量の不安でした。声をかけていただいた当初はまだまだ製造量も少ない時でちょうど有名なレストランやお店の料理人達が巽醤油を注目し始めた頃で、ポン酢製造に使用できる無添加の丸大豆醤油の供給量の目処が立ちませんでした。初めて声をかけていただいてから10年近く経ち、やっとお付き合いさせていただけるまでに辿り着くことが出来ました。待っていただいたことには感謝しかありません。
また、梶田商店は今まで、ポン酢や出汁醤油などの醤油加工品を積極的に製造しようとしてきませんでした。何故なら美味しい醤油があれば、柑橘を絞った果汁や直前に引いた出汁と合わせたものの方が美味しく、贅沢だし、何よりそれらが家庭の味、おふくろの味として各家々の味になると思っていました。ですが、コロナ禍の中で食品スーパーさんは食の大切さを伝えるのではなく、価格訴求に走るばかり。ポン酢の棚を見ても自分たちがいいなあと思えるポン酢がほとんど見当たりませんでした。
愛媛県はどこよりも柑橘農家さんは多いし、色々な生産者の方がいらっしゃいます。その中でも想いと信を持って長年行動されているのが無茶々園さんであり、一緒に仕事をさせていただくことは嬉しく、光栄です。「縁尋機妙多逢聖因」(注)。今回、無茶々園さんの柚子果汁で造ったポン酢は美味しいのは当然、味わいだけでなく、原材料一つ一つに生産者の想いが詰まった価値のあるポン酢に仕上がったと思います。是非、多くの方に味わっていただきたいです。
(注)縁尋機妙 多逢聖因 (えんじんきみょう たほうしょういん)
よい縁がさらによい縁を尋ねて発展していく様は誠に妙なるものがある。いい人に交わっていると良い結果に恵まれる。つまり人間はできるだけ、いい機会、いい場所、いい人、いい書物に会うことを考えなければならない。
梶田商店
WEBサイト:https://www.kazita.jp/
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