毎年4月末下旬にもなると「今年の梅はいつからですか」というお問い合わせが増えてきます。梅仕事を楽しみにしている方が多いのだとあらためて感じるとともに、古くからの食文化が受け継がれていくのはとても喜ばしいことです。

たくさんの方からご注文いただく梅ですが、今年は近年稀に見る大不作。非常に大変な作柄となりました。5月はじめに園地を確認した際はまずまずの収量があるのではという想定だったのですが、実際に収穫をはじめてみるとそれは大きな見込み違い。昨秋の干ばつの影響に加えて、越冬したカメムシ被害によりたくさんの果実が落ちてしまいました。

「黒星病」やひどい「ヤニ果（樹脂症果）」の発生も数量減少に拍車をかけました。ともに軽微なものであれば害になりませんが、広範囲にわたるものは傷みが早く進行したり、梅干しにした際に固くなって食味を損ねてしまいます。もったいないとは思いながらも、そうした果実を出荷するわけにもいかず選別にてんてこまいの日々でした。

大変な作柄だったものの、「青梅」は早めに受付を終了してどうにか発送を終えることができました。しかしながら「梅干し用の梅」はそうはいかず、ご注文いただいた数量の変更をお願いしなければならない事態に。お断りした重量は合計400kg以上。梅干しを漬けるためにたくさんのご注文いただいていた方も多く、大変ご迷惑をおかけしました・・・

とても貴重な2024年産の梅。みなさま、無事漬け込みは終わりましたでしょうか。天候不順や病害虫といった様々な懸案はありますが、来年は豊作を願うのみです。