お知らせ

祇園丸から海のこと

2025.02.01

近年、農作物は夏場の高温による日焼けや獣鳥害などの被害が出ており、環境変化による影響を大きく受けていますが温暖化の 影響なのか海の環境変化も著しく、漁獲量や海藻類の減少など、私たちが思っていたよりも急激に変化していることに不安を感じています。

 

私が中学生時代(25 年くらい前)にひじきを刈りに行った時 の事ですが、3 回ほど刈るとコンテナにいっぱいになるほどたくさん生えていましたが、そのひじきも今では温暖化のせいなのか、海の栄養不足なのか成長も悪く、減少しています。東北では今まで獲れたことのない太刀魚が獲れたり、北海道では鰤が豊漁だったという話を耳にし、これも環境変化の現れだと感じました。

 

しらすに関しても祖父の時代は「将来、しらすが捕れなくなる ことはない」と言われるほど大漁だったそうですが・・・ 2022 年~ 2023 年、の2年間、漁獲量が例年の半分にまで落ち込み、前例のない不漁で頭を抱えておりましたが、幸い去年は 10 月に入って、まとまった漁があり一安心しているところです。

例年では春漁「4 月~6 月」秋漁「9 月~11 月」と漁期があり、 特に春の漁獲量が多く鹿児島から漁が始まりだんだん北に上がっ てきて、そろそろ獲れ始めるかなという予想ができましたが、それもここ 10 年くらいはかなり不安定で「漁期」という言葉が当 てはまらない状況で、この先どうなるのかと不安です。

 

 

世代交代

今期より、私「哲三郎」が祇園丸の 4 代目となりました。現在、 父(吉彦)と大叔父にも漁に出てもらっていますが、祇園丸も 高齢化が進み、そろそろ世代交代の時期にきています。しかし、実際漁に出る日数は年間 100 日足らず。これから先、若い世代 を雇っていくとなると年間を通じた仕事づくりが必要になって きます。幸い、西予市は海抜 0 ~ 1400mの高低差があり地域の 特産品がたくさんあります。そこで、漁獲量が不安定な時代にも対応できるように、ちりめんを利用した加工品はもちろんの ことですが、てんぽ印の農作物と西予市の特産品を使い新しい 商品を生み出す事業転換の時期になってきたのかなと感じています。地元のものを使って商品を作れることは、当たり前ではなくとても恵まれた環境だなと思います。 厳しい時代ではありますが、今まで続けてきたことを大切に守りながら新たなことにも挑戦したいと思っています。従業員や仲間と手を取り合って皆さんの食卓に海の幸を届けたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

佐藤哲三郎

 

 

【左:佐藤 吉彦(父) 右:哲三郎】

pagetop