お知らせ

共同選果場より皆さまへ

2017.12.05

明浜から、野福峠をこえて一本のトンネルを抜けたところに、

無茶々園の共同選果場があります。

 

皆様にお届けする無茶々園のみかんは、多くの場合

それぞれの農家が収穫後、自分の手で箱詰めし出荷しています。

一方でさらに幅広いお客様に対応するため、

一旦、無茶々園専用の共同選果場に集約される場合もあります。

(もちろん、どの農家が栽培したみかんなのかが確実に分かるように、管理をしています)

 

ここ宇和選果場には、

農家が収穫し、各々で一次選別したみかんが、コンテナに入って出荷されてきます。

品質の確認と安定化のため、ここでもう一度選果をとおった後

さまざまな個人・法人のお客様に合わせて荷造りされ、全国へと旅立ってゆきます。

 

選果場でひと際目立つのは、糖度・酸度・サイズを測定できる光センサーを備えた大型選果機。

それぞれの農家の園地ごとに品質データをとって、

農家自身へとフィードバックする役割もかねています。

 

 

しかしどれだけ大規模な機械があっても、

一番大切なのは、人の目と手で選別すること。

小さなキズや傷みを見つけたり、

防除をできる限り抑えた栽培ならではの様々な症状を見ながら

外観基準をそろえたりする作業は、機械まかせにはできません。

 

シーズン中は、一日で約10トンのみかんが動くこともあります。

選果台に立つと、無数のみかんがくるくると回りながらとめどなく流れていく光景に、

思わず目がくらくらしそう。

選果場がスタートした2000年代からのベテランスタッフ、

鋭い目と慣れた手つきは流石のものです。

 

さて今年は、以前にもお伝えしているように

台風の襲来やカメムシの大発生などにより、

多くのみかんが被害を受けてしまう年となりました。

 

選果する者にとっても、今年の被害は特に頭の痛いもの。

なぜなら、被害果が非常にわかりづらく、見逃してしまいやすいからです。

 

台風に揺さぶられ、果実に枝葉があたってできた小さな傷。

収穫直後は問題なく見えますが、

数日経ってお客さまのもとに届く頃、傷みが出てきてしまいます。

また、カメムシに果汁を吸われていても、

外観では何も問題ないように見えてしまいがちなのです。

カメムシ被害果。なんとなく「怪しい」という特徴はいくつかあるのですが…

本当に被害がある(果汁が吸われ、中の実が白くスカスカになっている)かどうかは、

皮を剥いてみないとわかりません。

 

 

もちろん農家も、今年は特に気をつけて慎重に一次選別をしています。

しかし被害果があまりに多いと、どうしても除けきれなかったものが入る確率も高くなります。

 

宇和選果場は最後の関所。その時その時に流れるみかんの状況を見ながら念入りに、

できる限り良い状態で、皆様にみかんをお届けできるよう努めています。

 

宇和選果場の現場責任者、川越瑛介さん。明浜出身、家は無茶々園のみかん農家。

地域外出身者が多い無茶々園の職員のなかで、なかなか貴重な存在?です。

 

箱に詰められたみかんは、お客様にとって、無茶々園の顔となるもの。

その品質に責任をもち、お客様と農家をつなぐ要として、

農家ともしっかりコミュニケーションをとりながら連携していく。

地域に愛され、農家からの信頼も厚い彼だからこそ、つとまる役割かもしれません。

 

 

せっかく立派に育ってきたみかん達。

ほんの小さな傷だけで、あるいはカメムシに少し先を越されてしまったがために、

皆様の元にお届けできないのはとても心苦しいのですが…

やはり今年の温州みかん、いつもより量が少なくなりそうです。

 

幾多の災難を乗り越え、厳しい選抜をくぐり抜けたエリートみかん。

みなさまの年の瀬の振り返りとともに、

今年ならではの味を、ぜひ楽しんでいただければ幸いです。

 

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