無茶々園は柑橘だけでなく、ちりめんや真珠といった宇和海でとれる海の恵みも販売しています。
なかなか知ることができない海の生産者の仕事。
今回はアコヤ貝から真珠の玉をとりだす「浜あげ」の仕事を取材してきました。
~真珠の浜揚げ~
12月。無茶々園の海の生産者である佐藤真珠は一年で最も忙しくも、気持ちが高まる時期を迎えます。
真珠の浜揚げが始まるのです。
この日は佐藤真珠の作業場には代表の佐藤和文さんを筆頭に15人ほどが集まり、
たくさんのアコヤ貝の入ったネットを海から揚げる、ネットから貝を外す、貝を開ける、
そして貝から真珠と貝柱取り出すものに別れて作業していました。
全員が慣れた手つきで作業に臨み、それぞれの無駄のない素早い動きは見ているだけで感心してしまうほど。
いつでも佐藤真珠の作業場には真剣な中にも和気あいあいとした雰囲気があるのですが、
今日は、いつもとは違う各々からあふれ出す高揚感を感じ取ることができました。
浜揚げとは大切に育ててきた真珠を取り出すこと。長い時間をかけて育ててきた苦労が報われる日でもあります。
本来であれば、貝柱から真珠を取り出すのはもう一工程後に行われるのですが、特別に取り出して見せてもらうことに。
顔を出した真珠が柔らかい上品な光沢をまとっていることは、十分に伝わってきます。
そもそも宝石は自然が作り出すものですが、その生産過程において時間と人の手を必要とする宝石は真珠だけ。
母貝となるアコヤ貝を3年ほどかけて育てる。成長したアコヤ貝に核(貝殻を球状にしたもの)を入れる。
この核の周りに時間とともに真珠層が形成されたもの、それが真珠ですが、
アコヤ貝を育てるも、核を入れるのも人が大きく関わっています。
核をいれたアコヤ貝も単純に海に戻し、大きくなるのを待つわけではありません。
台風がくるとわかれば波の影響を受けない場所へ移動させ、時期によってはエサの多い外海へ運び成長を促す。
そして何より海で育てれば必ず付着する、フジツボやカラスガイといった外敵を一つ一つ手作業で洗い落とす。
25万個ほどのアコヤ貝を育てている佐藤真珠では「毎日掃除しているようなものです」と言う
和文さんの言葉は決して大げさではありません。
まるで子どもを育てるように365日見守りながら育てた真珠たち。
今年の出来は上々のようです。
▼真珠貝柱120g×3パック
浜揚げの際にとれるアコヤ貝の貝柱をとれたての状態で冷凍しました。
真珠産地ならではの珍しい産物。興味のある方はぜひ注文してみてください。
http://muchachaen.shop-pro.jp/?pid=105418521
~山は海の恋人~
佐藤真珠の作業場は段々畑を背に、穏やかな宇和海に向かって建てられています。
山から流れ出る豊かな水は真珠の形成に必要なカリウムを多く含み豊かな海を作ります。
無茶々園の生産者が農薬の使用を抑えたみかん栽培をすることで海の環境が変わったことを肌で感じていると和文さんは話します。
海と山とのつながりを実感しているからこそ、
祖先より受け継いだ明浜の恵まれた環境を大切に長く守ることを第一に考えながら、
海と人とアコヤ貝が織りなす心のこもった真珠を育てるという考え方を掲げ養殖業に取り組む佐藤真珠。
実は養殖だけでなく、加工・商品化まで一貫で行い、消費者の皆さんにお届けするという
全国でも例がない真珠産直運動の先駆者でもあるのです。
▼真珠
無茶々園では真珠の販売も行っています。生産者が選び抜いたこだわりの真珠アクセサリー。ぜひご覧ください。
http://muchachaen.shop-pro.jp/?mode=cate&csid=0&cbid=2122181