日向夏の種から芽が出ているのを発見し、この芽を穂木として温州みかんに接ぎ木したところ結実して見出された「はるか」。古い品種から自然発生したため作りやすく、有機栽培でも無理なく取り組むことができるという理由から、無茶々園でも少しずつその量を増やしています。そんなはるかの悩みのタネは、なかなか知名度があがらないこと。黄色くてゴツゴツとした外皮、その見た目からは想像ができない上品な甘みと、個性的な特徴をもっているものの、大々的に栽培している産地も少ないことから、消費者への認知はまだまだ進んでいません。
無茶々園での生産量もここ数年は安定して10トンを超えるようになりました。消費者のみなさんにはるかについてもっと知ってもらい、しっかり食べてもらいたい!ということで、古くからはるかの栽培に力をいれている田の浜地区の生産者たちに、取り組みはじめた経緯や生産の苦労について話を聞いてきました。
※この記事は2018年2月の記事を修正したものです。
外皮・内皮ともに厚めなのでナイフでカットしてお召し上がりください。
生産者の土居与次さんがはるかに出会ったのは15年ほど前のこと。松山市の百貨店で1玉800~900円(!)で売られていたのを見て驚愕したことを今でもはっきりと覚えているそうです。それ以上に驚いたのは、見た目と食味のギャップ。外観からはまったく想像できないやさしい甘みは、とても印象に残りました。また、まわりの人に食べさせてみても、子どもと“おなごし(女性)”受けが非常によい。自分の子どもがどんどん食べるのを見て、これはいける!と野生の勘が働き、苗木を植えはじめたのだそう。
しかしながら、いざ作りはじめてみるとなかなか大変だったと語るのは、同じく田の浜の生産者、大中一郎さんと有田勇さん。はるかは、農薬こそほとんど使わないものの、デリケートな管理が必要だということがわかりました。まず、施肥や摘果といった基本管理がとても重要。果実を鳴らしはじめて3年ほどはよく成りますが、手をいれず成るにまかせておくと急に樹勢が弱くなる。毎年安定して成らせるためには、しっかりと肥料をやり、摘果もきちんとしないといけない。
また、ネムシ(カミキリムシ)被害、鳥やいのししの食害が非常に多い。袋がけや鳥よけといった鳥獣害の対策は必須です。農薬に頼らなくてよいといっても放任していいわけではなく、毎年成らし、量を増やしていくためには地道な努力の積み重ねがあるのです。
はるかについて熱く語る大中さん。普段のやさしい顔とは違う真剣な表情。
枯死したはるかの樹。繊細な管理が必要とされます。
さて、無茶々園のはるかについて少しは理解を深めてもらえたでしょうか。そのやさしく上品な甘さは、搾ってジュースにするのにも向いています。安定した食味をほこる春の柑橘として、これからもしぶとく作り続けてまいりますので、まだ食べたことのない方はぜひ一度注文してみてください。
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