農業分野に関わらず高齢化、人口減少の進む日本にとってなくてはならない存在となっている海外実習生。
無茶々園でも急な斜面をものともせず収穫を進める頼もしい姿をよく見かけます。
2002年より外部機関に協力してもらいながら海外実習生の受け入れを行ってきましたが、
この度無茶々園もその中心業務を担うこととなりました。
新事業の開始に伴い、無茶々園事務局の宇都宮広がベトナムを訪ねました。
~ベトナム訪問記~
10年振りのベトナム、おびただしい数のバイクと若い人達、若い人と国のエネルギーを感じざるを得ません。
現在、日本にやってくる外国人実習生で一番多い国がベトナムとのこと。
無茶々園も、外国人実習生の受入業務を取り組むことになり送出側の現状を視察しました。
ベトナムには、日本に行きたい若者がたくさんおり、日本語学校もたくさんあります。
日本での技能習得を目的にする一方、たくさんの賃金を稼ぐのも目的となっているようです。
そのために失踪する実習生が出ること、また実習が終了し帰国した後、
ほとんどが実習経験が生かされていな事も問題となっています。
これから一緒に事業をすすめていくホーチミンの送出し機関での話や日本語学校の授業風景、
介護事業所での実務研修、実習生の面接など一通りの過程を見ることができました。
合わせてベトナムの関連会社:ファーマーズユニオンベンチャー(以下FUV)があるバンメトート市にも行きました。
FUVでは直営農場での野菜の生産と販売、組織した生産者が作る胡椒の輸入や養殖エビ事業を展開していますが、
ここに外国人実習生の送出し事業が加わってきました。
バンメトートでは、無茶々園の元実習生のトン君、ビン君、フォック君、
クン君など懐かしいメンバーが集まってくれました。
事前に声掛けはしているにしても、私たちが来ることを知って何人もの元実習生が集まってきてくれたんです。
胡椒を生産している者、ハウスに関わっている者、つばめの巣の生産?に関わっている人など、
昔話とともに楽しい時間(酒)を過ごすことができました。
「今、どんな仕事してるの」から始まって、「結婚しました、この子が私の息子です」。
「(ファーマーズユニオンの)村上さんや酒井さんは元気ですか」「松本商店のおばさん※は、どうですか」。
彼らから感じた事は、彼らの無茶々園での農業実習は、賃金稼ぎだけではなかったということです。
愛媛県では高い賃金をもらうことができません。
でも、無茶々園が取り組んでいる農業、そして生産者とのつながりができていると感じました。
農業技術も要素の一つではありますが、それよりも人のつながりが大きいと感じています。
この彼らの言葉を聞いてこちらがうれしくなったほどです。
バンメトートの地で、かつての研修生トンくん、タイちゃんとともに。
本当に農業に興味がある人を募集し、日本語の学習や生活習慣を学びます。
私たちが送り出す実習生はFUVの農場で農業研修を行った後に日本にやってきます。
日本での3年間の実習を終え母国に帰国後は、FUVの農場に関わるもよし、自分で農業もするもよし。
私たちが目指しているのは、日本で実習した経験が生かせること、
拠点のバンメトート市の若者たちが無茶々園で研修をしバンメトートで環境保全型の農業に取り組む。
そういった仲間を増やしていきたいのです。
そこに流通をつなぐことができればベトナム版無茶々園もみえてきそうです。
片山元治がベトナムに行って10年、道半ばではありますが新しい視野が拡がってきました。
※松本商店とは狩浜にある唯一の酒屋さん。
実習生が暮らす研修センターの近くにあり、実習生の誰もがお世話になっています。