2016年にジュースなどの加工品デザインを一新し、
おかげさまで「本当に可愛くなりました」「プレゼントしても前より評判がいいです」など、
嬉しいご感想共に多くいただくのが「誰がデザインしたのですか?」というご質問。
今回初登場のあけぼの色のミックスジュースも含めたジュースやマーマレード、
その他多くの加工品ラベルデザインは、愛媛県西予市在住のデザイナー・井上真季さんにお願いしています。
無茶々園と井上さんとのお付き合いは2013年頃、
ファーマーズユニオン天歩塾の干し野菜シリーズのパッケージデザインを依頼したことに始まります。
当時の自分を「来た球は打つ」と表現するほど、依頼があれば何でも引き受けていたと振り返る井上さん。
実は干し野菜にもなじみがなく、デザインをきっかけに余分な味付けをせず乾燥させるという
シンプルな商品であることや日持ちの良さと水で戻すだけという手軽さを知ったそう。
そこで「今まで使ったことのない人が手に取りやすいもの」
「素朴さ」という2つの側面を持ったラベルデザインが完成しました。
それ以降、無茶々園では農・海産物の商品ラベルにとどまらず、
パンフレットや40周年記念誌のデザインも手掛けていただいています。
そのバイタリティーの源は大学で油絵を学び、美術を活かせるのであればと就職した先々で集合広告や看板、
雑誌編集などジャンルにとらわれることなくデザイナーとして取り組んできたことではないでしょうか。
小さい頃から「頭の中で想像したものを書いたり、お話を作ることが好きだった」という井上さんにとって、
ジャンルとは、ほんの小さな枠でしかないのではないかと想像してしまいます。
デザイナーとは「人のつくった物のポテンシャルを引き出すもの。役に立つ、
認められたと感じながら(続けているもの)だから芸術家とは違うかな」と語る井上さんの夢は
何百年先の人が見てくれるような屋号やロゴを作ること。
目指すべきデザイナーとしての未来をはっきりと描いています。
井上真季(イノウエデザイン事務所)
ジュースやマーマレードのデザインは「朝の食卓に並んでいたら嬉しくなるもの」をコンセプトに。
絵柄の繰り返しは、柑橘が育つ段々畑の石組みをモチーフにしている。
とても難しかった、という干し野菜シリーズ。
決まっていたものを取りやめ、新たに作り直したという思い出深いエピソードも。