さわやかな酸味の中に感じるやさしい甘み、文旦系らしいほんのりとした苦味。本来の品種名は河内晩柑(かわちばんかん)ですが、その滴るようなたっぷりの果汁から無茶々園では「ジューシーフルーツ」と呼んでいます。
無茶々園流の栽培に取り組みはじめてもうすぐ20年。すっかり無茶々園の春夏を彩る代表的な柑橘のひとつとなりました。当初は日本一の生産地・愛南町の生産者たちが中心となって栽培していたジューシーフルーツですが、最近は明浜でも生産量が増えてきていました。樹勢がとても強く、落果防止剤さえ散布すれば旺盛に実も成り、収穫期間も長いため、農家も作りがいがあるのでしょう。今期は想定50トン近い量になりそうです。(ちなみに愛南町は170トンあります)
さて、そんな明浜のジューシーフルーツ、今期の出来はどうでしょうか。山で農家の話を聞きながら、その風味を確かめてきました。
生産者のひとり中川真とともに訪れたのは、かりえ笑学校からもほど近い「川久保(コクボ)」という畑。それほど広くない畑には、大きく成長したジューシーフルーツの樹がのびのびと植わっています。足元に少々落果が目立つものの、枝にはたわわに実った果実が。中川はその実を一つちぎると、
「今年は秋乾いた(雨が少なかった)せいか、甘みを強く感じる。ジューシーフルーツは酸味が好きだけど、甘さがあるとより味が上品になっていいな。」
と、ご機嫌な様子で語ります。ちぎって渡された果実の内皮を剥いて食べてみれば、確かにしっかりとした甘み。話を聞いたのは4月上旬、本来ならばもっと酸味を感じる時期ですが、今年はそれを包みこむような甘さが確かにあります。
「味を気に入って植えた品種だけど、ここまで美味しい年はなかなかない。量もしっかりあるし、こんな年こそたくさんの人に食べてもらえるといいな。」
飄々としているように見えて、確実に生産量を増やしている中川の一言。その言葉はとても頼もしく感じるのでした。
さて、ジューシーフルーツの食べ方ですが、内皮まできちんと剥いて食べるのが一番のおすすめです。果肉が持つやさしい甘み、さわやかな酸味、初夏の柑橘らしい風味をしっかり感じることができます。内皮まで剥くのは少々面倒ですが、手間暇かけるに値する美味しさです。
酸味の苦手なお子さんには、お砂糖をかけて食べさせてあげるとよいでしょう。内皮をひとつひとつ剥くのが大変だと思う方は、果実のおなかの部分を真ん中から二つにカットしてください。スプーンで果肉をすくって食べましょう。
気温の高い時期には、冷蔵庫でしっかり冷やして食べるのもおすすめ。さわやかな風味がさらに引き立ち、どんどん食べてしまうこと間違いなしです。
▼ジューシーフルーツの購入はこちらから
http://muchachaen.shop-pro.jp/?pid=90432978