明浜事務所から車で西に5分ほどのところにある「ナガレ」という畑で早採りみかんを収穫していたのは、宇都宮利治さん、宏生さん親子。この日は「(実が)たくさんあるから」と実習生のテイくんと近所の頼もしい助人ご夫婦とともに来ていました。
ナガレは眼下に穏やかな宇和海を臨む美しい畑ですが、一面に生えるツユクサに足を取られればあっという間に滑り落ちてしまうほどの急斜面。それをものともせずパチンパチンとハサミの音を響かせながら軽やかに収穫を進めています。
ところで「早採りみかん」とは、温州みかんの中でも一番早い時期に食べごろを迎える品種で、皮がまだ青みが残りながらも中身から熟していきます。年末のみかんのような濃厚な甘味ではなく、柑橘シーズンの到来を告げる爽やかな風味と香りを味わう品種です。数年前までは「極早生(ごくわせ)みかん」という名前で販売していましたが、収穫時期の早さが伝わるようにと「早採りみかん」という愛称をつけました。
「食べてみてや」と渡された早採りみかん。皮をむき始めた途端にすっきりした香りが広がり、緑がかった皮の色とは反対の暖かなオレンジ色の果実が顔を出します。房ごとにわけるのももどかしく一口パクリ。例年よりも柔らかな酸味と甘味が、季節の変わり目で少し疲れがでていた体に染みわたるのを感じます。
無茶々園ではその季節毎に異なる品種を食べて過ごしますが、早採りみかんに限らず収穫の始まった果実を食べると「気づかぬうちに体が欲していたんだな」と感じることがあります。今回も疲れがたまっているとの実感はありませんでしたので「旬をいただく」とはこのことか、と一人納得した次第です。
産物のおいしさは、そのものの味わいに加え見た目や香り、食べた状況など様々な要素によって決まります。生産者とともに段々畑で食べるという贅沢さを差し引いても今年の早採りみかんのおいしさに間違いはなさそうです。「今年のできは良好」と話す利治さんに続き、「まずまずおいしいんじゃないかな」と謙遜しながらも例年に比べて甘味もあり食べやすいと宏生さんも高評価。
早採りみかんの旬は短く1か月。どうぞ今年の早採りみかんをお召し上がりください。
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早採りみかん 1,600円(税込)~
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