お知らせ

2021年 新年のご挨拶

2021.01.06

謹賀新年。今年もよろしくお願いします。

おかげさまで、今年で無茶々園は46年目の春を迎えることができました。これも皆様方のおかげです。ありがとうございます。

 

昨年は、なんといっても「新型コロナウイルス感染症」にしてやられた1年でした。同時に今までの常識や考え方を変えないといけないと考えさせられた1年でもあり、無茶々園が目指すものは間違っていないと確信できた2020年でもありました。ちょうど無茶々園の2030年ビジョン策定を行っていて確信したことが3点ありましたのでここでご紹介します。

 

株式会社地域法人無茶々園 代表取締役社長 大津清次

 

私たちが目指すもの。確信した3つのこと。

一つ目は、コロナ後の社会は、持続可能な経済社会に変えていくことの必要性です。「毎年起こる災害」「新型コロナウイルスの拡大」は、もはや我々人類ではコントロールできない、未知数の領域に入ったと私は感じています。経済優先主義がもたらしたものであることは言うまでもありません。遅きに失した感が否めませんが、菅総理はやっと脱炭素社会の実現に向け動き出しました。環境省の統括官が「地球を人間のからだに例えるならば、CO2(お酒)を取り過ぎて、異常気象(肝硬変)になっているにも関わらず、CO2(お酒)を取り続け消化できなくなり、このままでは、地球は壊れてしまう(死に至る)。そういうことなのに、お金がないから(隣の人よりより多く稼ぎたいから)、仕事を休めないから治療をしないと同じことだ」と言われました。その症状が、異常気象(台風、集中豪雨)であり、コロナウイルスの逆襲なのだということです。だからこそ、環境省が進める「地域循環共生圏」自然との共生、争いのない共感社会を創造することが正しいことだと確信しました。妥当な経済、妥当な賃金、妥当な幸せをどう作るかではないでしょうか。

 

二つ目は、暮らし方や働き方を変えることです。労働者協同組合法が2020年12月法制化されました。12月12日の東京新聞1面に無茶々園(てんぽ印)の紹介記事「移住者一人一票の働き方」が掲載されました。自分たちの理想のために、自分たちの仲間を作って、お金も出し合って、自らで物事を決めていく。そんな働き方です。ちょっと聞きなれない働き方ですが、農村はもともとそんな働き方(協同労働)でした。農水省からも問い合わせがありましたが、農村振興の主体的な働き方になりうるだろうと確信しています。(私は日本労働者協同組合連合会副理事長です。)価値ある働き方、生き方がこれからのポイントだと思うからです。

 

三つ目は、人と人とのつながりを強めることです。うまいミカンを食べることが価値なのか、作っている生産者を思い浮かべながら食べることが価値なのか、腹さえいっぱいになればいいのか、心もいっぱいにするのか、ちょっとした心の持ち方次第で、幸せな人生が送れる、送れないかが決定される時代が訪れるだろうと思います。令和という時代は、主体性と連帯の時代であると思うからです。

 

 

2020年の無茶々園事業を振り返る。

さて、無茶々の里は昨年もいろいろありました。報道もされていましたが、真珠母貝のへい死が全国で発生し、今年度以降の母貝が手当てできない状況です。おまけにコロナの影響もあり香港での入札が行われず、存続の危機にあります。そんな中佐藤真珠がこのままでは廃業になりかねないと「すじ青のり」の陸上養殖にチャレンジし、今冬から生産・販売を始めています。

 

福祉事業は、学童保育・リハビリ特化型のデイサービス事業・訪問介護サービス事業・介護タクシー事業も順調に進んでおり、地域で必要とされる困りごとを事業化し、無茶々の里のまちづくりが一歩一歩ではありますが進んでいます。てんぽ印の目指す、有機で作った乾燥野菜の加工場も順調に稼働しています。安心安全な野菜が手軽に、いつでも利用できるそんな食の工房となるよう頑張っているところです。

 

本業の柑橘生産は、平年作となりました。今後、買い控えが予測されます。皆さんたくさん食べて頂ければ嬉しいです。引き続きご支援ください。

 

10年先の2030年に向けて

2030年はどんな無茶々の里になっているだろうか?2010年から掲げてきた「F(食料)E(エネルギー)C(福祉)W(雇用)に、H(住環境)の自給できるまち、環境省が進める「地域循環共生圏」のモデル地域がここ西予市明浜町に誕生している姿を想像してみてください。

時間がゆっくり進み、だれもがのんびり生活している。AIや海外の人達もいっしょに生活している。リアルとバーチャルが共存し、人々の暮らしを豊かにしている。妥当な経済・妥当な賃金・妥当な暮らしが実現されている。そうありたいものです。

そんな社会を実現するためにも、多くの方たち(都市生活者や世界の人々も)と「共感」し、つながることで少しずつ世の中が変わっていく、地味ではありますが、一人一人が「考える人類」になれば良い方向に必ずや向いていくのではないでしょうか!

最後になりますが、もう一度訴えたいと思います。「気候危機」は待ってはくれません。今やれる取り組みから始めましょう。そして共感の大きな輪で、「ワン・チーム」になれば思いは成就するはずです。共に努力しましょう。

無茶々園はこれからも「10年、20年後の未来の子どもたちのために、小さな多くの種まきをし、日本一のまちづくり集団を目指します」

どうか、皆様もこの田舎再生運動に参画して頂き、活力ある日本にしましょう。

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