伊予柑は伊予の国にちなんだその名前の通り、愛媛県での生産量が断トツに多い品種です。無茶々園の主要産地である明浜も、伊予柑産地としてその歴史を重ねてきました。しかしながら、どんどん進む多品種化の影響により、最近は新たに植える人が少なくなっています。
それは無茶々園だけでなく全国的にも同じこと。愛媛県における収穫量の推移を見てみると、最盛期だった1990年には約15万7千トンあったものが、2018年には2万7千トンまで落ち込んでいます。
(参考:愛媛県におけるかんきつ類の収穫量の推移)
とはいえ、伊予柑は他にない香りのよさとジューシーさをもったオンリーワンの柑橘。時代の流れに任せてこのまま失われるのは、あまりにも惜しいように思えます。根強い人気もありますし、無茶々園ではこれからも伊予柑をしぶとく作り続けていくつもりです。消費者のみなさんもしっかり食べていただき、その継承を助けていただけると幸いです。
さて、手前みそではありますが、このたびあらためて伊予柑の食べ方・使い方をまとめてみました。伊予柑についてあまりご存じない方はもちろん、よくよく知っている方もぜひ読んでいただき、たくさん食べてくださいませ。
内皮をとって食べる
あたり前ですが、そのまま食べるのが一番スタンダード。外皮・内皮ともに厚めなので、ナイフやムッキーちゃん(皮むき器)を使うのがよいでしょう。少々手間ではありますが、厚めの内皮までしっかりとれば、果肉の風味や香りの良さをよりいっそう楽しむことができます。
果皮が厚めで果汁たっぷりの品種なので、気軽にテーブルの上で・・・といかないのが悲しいところ。個人的にはご飯を作るときにあわせて準備するのをおすすめします。一気に剥いてお皿に盛って、食後のデザートとして楽しみましょう。
搾って飲む
柑橘のなかでもひと際香りのよい伊予柑は、搾って飲むのもおすすめです。甘味に酸味、くちあたり。果実そのものがもつ香り。そのまま食べるのとは違う良さを楽しめます。
※画像は諸事情により温州みかんのものを使っています。
マーマレード、ピールを作る
果実だけでなく、その果皮も香り豊かな伊予柑。果皮はしっかりと厚みもあるので、マーマレードやピールの材料としてうってつけ。2~3玉使えばかなりの量を作ることができます。ピールはチョコレートでコーティングするのもよいですね。
果実酒を漬ける
伊予柑の芳醇な風味は果実酒の原料にもむいています。皮をむいた果実に氷砂糖をいれて、ブランデーやホワイトリカーで漬けましょう。2~3週間おいて、氷砂糖がすっかり解けたら出来上がり。
サラダの具材やドレッシングに
伊予柑はお料理にも活用できます。フレッシュな果実はサラダの具材に、香り豊かな果汁はドレッシングの原料に。鮮やかなオレンジ、爽やかな香りが食卓に華やかさをだしてくれます。
みんなで食べて使って、伝えていきましょう
いまはインターネットが普及したおかげで、情報伝達・共有に便利な世の中になりました(流れも速いものですが)。ぜひ、伊予柑を食べている様子をブログやSNSで伝えてください。みんなで力を合わせて、伊予柑を次の世代に伝えていきましょう。