お知らせ

未来へつなぐ種まき活動

2021.01.30

無茶々園と学校教育との関わりは15年以上前に遡ります。会員である栄養士の方からお声がけいただき東京の学校給食へ温州みかんを提供したことをきっかけに、食材提供だけでなく作り手の思いを伝えようと様々な学校へ出向き食育授業を開催させてもらうようになりました。コロナの影響を受けこの取り組みも途絶えていますが、地元の小中学校での授業は何とか開催することができました。小学3年生が収穫体験を1時間、中学2年生は職業体験として2日間無茶々園にやってきました。

 

中学校の授業は地元の産業への興味関心を高めることが目的とのことでしたので、無茶々園でのカリキュラムは、①農業体験、②漁業見学、③事務局体験の3つを準備。農業体験では生産者とともに本格的な収穫に挑戦。漁業はこの時期にしか見ることのできない佐藤真珠の浜揚げ(貝から真珠を取り出す作業)を見学した後、ちりめんの加工場で祇園丸のこだわりから海と山、無茶々園とのつながりについて講義を受け、最後に新事業の青のり養殖現場の視察。事務局では温州みかんとジュースセットのキャッチコピーを考えるというフルコース。段々畑で足を擦りむいた、との報告はありましたが無事2日間のカリキュラムを終了しました。

 

 

職業や居住地を自由に選べる時代において「明浜で働き、暮らすこと」が選択肢の一つになれば大成功と言えますが、自分が中学生時代を顧みると効果のほどはわかりません。それでも限界集落と言われるこの明浜で、体験学習の受け入れは未来へつなぐ種まき活動であり、「生業の魅力を伝えられるのか」という我々の力量を問われたようにも思いました。

 

中学生が来たのは12月上旬、風が吹かなければ柔らかな日差しが心地よい収穫日和。生産者と段々畑へ向かう中学生を見送りながら、昔、生産者の斉藤達文さんに「空の下で働くことがしたかった。わしには事務仕事で一日中室内にいるのは考えられん。」と言われたことをふと思い出しました。陽光を浴びながら仕事ができる農業の魅力を感じ取ってもらえれば何よりと思いつつ、未来を担う若者が自身の価値観や職業観を育んでいけますようにと願わずにはいられない2日間でした。

 

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