まだ風が冷たい1月末、実習生のアルマンさんと甘平を収穫するのは森川嘉則(よしのり)さん。樹に下がっているピンク色が甘平ではもちろんありません。このピンク色のものはネルネットというストッキング状のかけ袋で甘平だけでなく年を越えて収穫する柑橘にかけるもので鳥から保護する役割を持ちます。ネルネットに守られて甘平が大きく育っていました。
甘平は2007年に愛媛県の試験場でオレンジ系統の西之香(にしのかおり)とポンカンを交配して生まれた、まだ若い品種です。名前の通り扁平の形をしており、ポンカンよりも一回り大きめ。果皮は薄く果実に張り付いていますが手で剥くことができます。種がなく内皮も薄いため食べやすく、甘さも抜群。ポンカンを親に持つだけあって、ぷちぷち・さくさくとした食感も楽しむことができます。
森川さんに今年の出来を尋ねると実はまだ食べていない、と衝撃発言。味見をしようと持ち帰ったものは家族が食べてしまい試食ができなかったそうですが「家族が食べきったということは美味しい証拠だから」とにっこり。試しに自分で食べたらいいよと手渡された甘平は、酸味もありながらも実に甘い!数日おいて酸が和らいだ時のおいしさを思うとぐっと期待が高まります。
甘平は不知火ほど繊細な品種ではありませんが、果皮は薄いので乾燥には弱いです。へたの部分から水分が抜けていきますので保存の際はへたを下に向けていただけると助かります。他の柑橘同様に涼しい場所においていただき、お早めにお召し上がりください。また手で皮がむけますが、手間でなければナイフでカットするもおすすめです。見た目が美しいうえに食感も際立ち、手間を惜しまなかった自分を褒めたくなります。
この畑には以前不知火を植えていましたが、土壌が合わなかったのか糖度が思うようにのらなかったそう。それでもこの時期に甘い柑橘を作りたいと甘平に改植しました。甘平は果実よりも果皮の生育が遅く、栽培途中に割れてしまう裂果の発生が非常に多い品種で決して育てやすいとは言えませんが糖度の高さは折り紙付き。「この時期に甘い柑橘っていいよね」という森川さんの挑戦はまだまだ続きます。
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