お知らせ

農業の現場って、どんな格好をしているの?~草刈ファッション編~

2021.06.09

意外と知られていない農作業の現場。有機栽培においては、草刈りは必須の作業です。今回は「草刈作業時の道具と格好」に着目して、ベテラン生産者の大津敬雄(おおつのりお)さんにインタビューをしてみました。

 

 

安全性、敏捷性、利便性など道具選びの基準は様々ありますが、敬雄さんは「やっぱりグツ(使い勝手)がいいやつよ」と即答。草刈機については「機械類は使わんと分からん。なんぼ値段が高くても気に入らんのもあるけん難しいんよ」とのこと。敬雄さんは同じものを3本持っており、長年愛用しています。草刈機を使った作業は、長時間の作業による振動で手や腕に大きな負担がかかることに加え、刈った草や小石がものすごい速さで飛んでくることもあり、危険が伴うので草刈用の装備が必要になります。

 

早速、草刈時の格好に着替えてもらいました。飛び跳ねる草が目に入らないようにするためのアミメガネ、日除けの麦わら帽子に加えて、草刈り機の刃先に近く草が当たりやすい左手には腕カバーと手袋を装備します。上から下まで見ての通りの完全防備。腰にはショルダーバックを付け、水分補給ができるように飲み物も入っています。その上、夏が近づくと熱中症との闘いも加わりとても大変です。

 

大津敬雄さん。普段の作業着はこちら。この上からヤッケなどを身にまといます。

 

マスクをつけて・・・

 

手ぬぐいをまく。

 

草刈りスタイルの出来上がり。

 

「この格好じゃあ誰だか分らんやろ」という敬雄さん。飛び跳ねる草や小石などが当たらないように、できるだけ肌が露出しないようにします。ちなみに敬雄さんの使っている草刈機は、ガソリン式で5㎏以上と比較的重い種類。胴体には負担軽減のための草刈り機用サポーターをつけています。

 

「草を刈っても2週間後にはもう伸びちょるけん、園地ごとの作業が間に合わん!」と言いながら、機敏に段々畑を登っていく姿はさすが玄人。草刈作業はかなりの重労働ですが、雑草との勝負はこれからもまだまだ続きます。

 

(おまけ)

親父に教わった敬雄さんの手作り道具

草刈機に草の筋が絡まってしまって動かない、テグスが切れた!そんな時に活躍するのが小さな鉄ノコ。草刈機のプラスドライバーを入れる溝の掃除にも使える優れモノ。「親父に作り方から活用法まで習った」という敬雄さん。小さな道具一つにも、代々受け継がれる知恵とひらめきが光ります。

 

 

草刈り機のメンテナンスに便利です。

 

敬雄流、七つ道具+α

大津敬雄さんが草刈作業時に身に着けているショルダーバッグの中身を見せてもらいました。左から①手作り道具、②プラスドライバー③剪定ノコギリ。剪定ノコギリの右斜め上が④芽切りハサミ、⑤水筒入れ。水筒入れが⑥手作り道具入れで、下が⑦テグス(2種類)。テグスの下が⑧アミメガネです。

 

pagetop