ベトナム

美味しく食べてひとがつながる ベトナムでの取り組み

2022.06.01

ご好評をいただいている「塩漬け胡椒」。その原料である胡椒の生産者の一人、クーさんにはベタさんという妹さんがいます。ベタさんは5月より「珍果園」という九州の苗木屋での実習が決まりました。「珍果園」は柑橘の苗木を育ている苗木屋さんです。無茶々園の苗木の多くもここから仕入れており、縁の下の力持ちとして栽培を支えていただいています。この「珍果園」も人手不足は深刻で海外実習生は無くてはならない存在。ベトナムで行っている胡椒の生産と販売、これも遠く離れた無茶々園のみかん栽培に深く関わっています。

 

クーさん親子とファーマーズユニオンベンチャーの日本人スタッフ髙埜(中央)

 

また、それだけではないのが無茶々園の取り組み。このクーさん一家はエデ族という少数民族出身です。多民族国家であるベトナムは54の民族から成り立っていますが、人口の84%をキン族が占めており、少数民族との間には経済や教育に格差があり社会問題となっています。少数民族の方々は海外実習に行きたくても元手が無く、意欲が有っても実習を諦めている人がほとんど。無茶々園が安定した価格で胡椒を買うことで生活を安定させ、実習に行くことが可能となり、その実習が無茶々園のみかん栽培にも繋がる。関わる地域の問題を解決し関わる人たちが幸せになれる仕組みを目指しています。

 

手に取り食べてみることで

まずは難しいことを抜きにして、良い意味で期待を裏切る「塩漬け胡椒」の味わいをお楽しみください。食べて納得して頂き、その取り組みにも納得して頂くことで、お互い無理なく続けていくことが出来る仕組みになるはずです。

残念ながらまだまだ無茶々園のベトナム事業は皆様に馴染みが薄く、「カカオニブ」や「塩漬け胡椒」など使い方のイメージがつきにくいかもしれません。手を出すには勇気がいるかとは思いますが、2022年6月末まで「カカオニブ」と「塩漬け胡椒」の価格を下げてご案内しています。これを機に是非お試しいただき、美味しく楽しく食べ、食べることで繋がる人の輪を広げてみませんか?

 

なかなかお目にかかれない塩漬け胡椒。普通の胡椒では味わえない衝撃的な風味が魅力です。

 

顔が見える農産物を日本に届ける活動を

無茶々園は2000年よりベトナム、フィリピンから海外実習生を受け入れていますが2005年に創始者のひとり片山元治が、ただの単なる安い労働力の確保としてではなく「我々らしい血の通った研修制度を作りたい」という想いを胸にベトナムに渡り、帰国した技能実習生たちの経験や縁を活かす場を創造したいと奮闘してきました。

胡椒の商品化のきっかけはベトナム帰国実習生の多くが胡椒農家出身であったこと。日本の農家と世界の農家がつながり、顔がみえる胡椒の流通を目標に、日本から帰ってきた技能実習生とその家族が生産した胡椒を世に送り出す仕組みを模索し始めました。

 

カカオ生産者のタムさんと。カカオニブもぜひご賞味ください。

 

胡椒は世界の人々の生活に欠かせない香辛料でありながら、何処で誰が生産し、どのように集積・加工されているのか、非常にわかりにくい作物であると言われています。無茶々園のベトナム支社ともいえる「ファーマーズユニオンベンチャー」のスタッフが、胡椒の生産が盛んなダクラク省へ定期的に訪問し、胡椒の生産者から栽培状況の聞き取り、使用する肥料や防除方法の相談など情報交換を行いながら、深い信頼関係を構築しています。またサンプルの残留農薬検査なども行い、合格した生産者のみを日本に輸出しています。カカオニブも同様に、ファーマーズユニオンベンチャーのスタッフ髙埜がカカオの生産者タムさんに出会い、その人柄とカカオの品質の高さにほれ込んだことから商品化につながりました。胡椒やカカオニブの感想もぜひお寄せください。柑橘同様、皆さんの声を生産者に届けます。

 

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