レモン果皮から抽出した精油を使って、「レモンの香りのピンクのリップバーム」をつくりました。yaetoco史上最も長い名前の中に商品への思いが詰まっています。
レモンの香り
無茶々園のレモン栽培は30年以上続いています。その他品種同様、青果として流通できない果実は果汁を搾って活用していましたが、果皮の商品化にはなかなか取り組むことができませんでした。この流れが変わったのは2020年春。搾汁設備に改良が加えられ、果皮活用の道が一気に広がりました【参考記事「夢が広がる無茶々園のレモン事業(2020.6.27)」】。皆さんご存じの通り、果皮を使った辛味調味料「レモンこしょう」が誕生し、次いでレモンオイルの抽出に着手しました。
ピンク色でリップケア
レモンオイルの抽出に目途がつき、レモンの香りを使った商品化へ動きだしたのは2020年5月。制汗剤やデオドラントシート、床拭き用のスプレーや食器用の洗剤など様々なアイデアが出された中、選んだのは「ほんのり色付くリップ」。当時はコロナの蔓延を受けてイベントの中止が相次ぎ、日常生活でもマスクが定着。その影響から口紅やグロスといったリップメイク関連の市場は売上が減少し、「リップメイクの暗黒期」を迎えていました。
時代に逆行する決断は、ただの反骨精神でも「(コロナ禍も)すぐに終わるだろう」といった安易な予想からではなく「外出先で手が汚れずにさっと使えるタイプのリップが欲しい」との意見があったことに加え、様々な制限がある中、誰に見せるためでも見られるわけでもなく「使って自分が心地よい」のものや「自分のために装う」ことを欲していたからでした。
私たちの住む明浜町は小さな地域ですので生活の中で不特定多数の人と顔を合わせることは少なく、都市圏に比べ感染リスクは低いと考えていました。それでも世界規模の感染拡大のニュースに触れ、私たちの日常とかけ離れた行動制限などにより閉塞感は日に日に大きくなっていました。思い返してみると、「リップ」という日常生活で使うものを通して、自分自身の価値観や軸を改めて感じたかったのかもしれません。
バームに比べて柔らかく、さらりとした付け心地。柑橘系の香りの代表格・レモンは気分を明るくすると言われ、ピンク色には幸福感や安定感を感じると言われています。レモンの香りもピンク色も元となるのは天然素材ですので、一般的な香水や口紅のように香りの持続性や発色性を謳うことはできません。だからこそ香りも色も使い心地も、使った瞬間の「自己満足」にこだわりました。
変わることと変わらないこと
変わりゆく生活に対応するようにデザインも一新。それでもやはり、いつものyaetocoくんが裏面にちょっと顔を出しています。そして今までと変わらず、成分はできるだけシンプルに。合成の香料・着色料は使わず動物実験も行っていません。そしてこれからもyaetocoは「畑でできたものを余すことなく」をコンセプトに、柑橘の香りを最大限活かし、環境に配慮した成分ながらも使い心地にこだわり続けます。
レモンの香りのピンクのリップバームはレモンオイルを使った新しいアイテムです。多くの皆さんの生活に、ほんのり彩りを加える存在になることを願っています。
商品を企画した無茶々園スタッフの藤森美佳。
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