時がたつのは早いもので、2022年も気がつけば10月になりました。秋も深まり、いよいよ柑橘シーズンのはじまりです。トップバッターをきるのは、お馴染み「早採りみかん」。その昔、運動会のときに食べていたような青みのあるみかんです。外観に青みが残っていますが中身は先行して熟れており、爽やかな風味でみかんらしい香りを楽しむことができます。外皮も内皮も薄いので、簡単に手でむいて食べられるのも魅力です。
今期は夏から秋にかけての雨がとても少なかったこともあり、糖度は高めの傾向です。さわやかな酸味もほどよく感じられ、例年よりもしっかりとした風味を楽しめるかと思います。また、毎年の悩みの種であるカメムシの発生もきわめて少なく、台風などの被害もありませんでした。農家たちも憂いなく収穫に励むことができることでしょう。
柑橘の結実は一年に一度きり。どんなに人の手を入れても、その出来は雨や風など自然から大きな影響を受けます。工業製品のように”同じもの”ができないことこそが農業の醍醐味。だからこそ、その年、その季節によって生まれる違いを楽しんでもらいたいと思います。農家が自然と向きあって作り上げた今年のみかん。一期一会の風味をお楽しみいただけると幸いです。