産物紹介

あらためて無茶々園のこと

2022.10.05

いよいよ温州みかんの出荷がはじまりました。これからシーズン最盛期を迎える前に、あらためて無茶々園のみかんづくり、生産をめぐる情勢、ご理解いただきたい点についてまとめてみました。はじめての方はもちろん、慣れ親しんだ方もあらためてご一読いただけますと幸いです。

 

無茶々園の柑橘栽培

無茶々園は故郷の未来を案じた若者たちが借り受けた畑を有機栽培の実験園としたことから始まります。一部の若者の取り組みは徐々に地域へと広がり、共通の栽培指針を定めて無茶々園らしいみかん作りに取り組んできました。柑橘が実を結ぶのは1年に1度だけ。やむをえず農薬を使用することがあっても、1年に渡る栽培期間中最低限に抑えるように取り組んでいます。端麗な見栄えと引き換えに、安心感と生命力のある農産物を作り出していきます。

 

 


【無茶々園の成木園栽培方針】

・除草剤や化学農薬は使用しない。

・農薬の使用は0からスタートして最低限に抑える。

・病害虫の発生がある場合、まず有機栽培で使用可能な天然由来の農薬で対応する。

・それでも抑えられない異常発生の場合のみ、最低限度の化学農薬の使用を認める(低農薬)。


 

傷は自然と共存した証

無茶々園のみかんには、まだ花の下に隠れている子房の時期に昆虫からつけられた傷や、自然界にある菌によってできた黒い点やカサブタ状のものがついています。

農薬を使用することで抑えることができますが、食味には影響がないため、無茶々園では農薬による防除を控えています。とはいえ、極端に外観の悪いものは選別で取り除いております。傷や黒点は自然と共存した証としてご理解いただければ幸いです。

また、農産物はサイズ分けするのが主流ですが、農産物は本来、大小様々な実をつけます。40年来、無茶々園では極端に大きいものや小さいものを除き大小込、サイズ分けをせず箱詰めしてきました。栽培方法と同様“できるだけ自然に近い形を大切にしたい”という想いで行っています。大小様々、果実一つ一つの個性をお楽しみください。

 

 

傷みについて

無茶々園では腐敗防止用の農薬やワックスを使用しませんので、果実は気温や湿度、保存状況による影響が強く表れます。また収穫前に長雨や強風などの気候条件が重なると果皮が弱くなり、目に見えない小さな傷から急激に傷みが広がって箱詰めから1日でもカビが発生する事例もあります。青果物ですので、絶対に腐らないとお約束することはできませんが、選果に十分気をつけるとともに少し多めに箱詰めしています。

届きましたらすぐに箱を開け、つぶれたものや破裂したもの、傷み始めている果実がないかご確認ください。また傷み・つぶれなどで食べられない果実が多い場合は遠慮なくお知らせください。

 

 

化学農薬の使用について

無茶々園ではできるだけ農薬に頼らない柑橘栽培を行っており出荷の際には、基本的には化学農薬を使用しない、有機栽培の基準に沿って栽培したものを発送しています。ただし、収穫量が大きく減ってしまったり、樹が枯れるほどの被害が見込まれるような病害虫発生があった場合には、最低限の化学農薬を使用します。

果皮の柔らかい早採りみかん、温州みかん、せとかは病害虫の影響が出やすく、有機栽培の基準では対応が難しい年が続いています。ほかの品種でもカメムシの大発生があった場合には最低限の農薬使用を行う園地が増加します。次に挙げる害虫以外でも近年は温暖化によってサビダニ、ソウカ病なども発生しやすい気候になってきています。


【カメムシ】

針のような口を果実に差し込んで内側の果汁を吸い取るため、果肉を損なって食味が著しく低下します。成熟が進んだ果皮の柔らかい早採りみかんや温州みかんから被害がはじまり、発生が著しい場合にはポンカンなどの中晩柑にも広がっていきます。

2021年はかつてない大発生となり、これまで影響がなかった金柑やレモンまで被害を受けました。近隣のヒノキ林が主な発生源であり、柑橘園では有効な対策ができないのが難しいところです。

 

 

【カミキリムシ】

樹木を食べるカミキリムシは成虫が枝や葉っぱを食害するだけでなく、樹の根元に産卵して幼虫が幹の内部を食べて成長します。幼虫が食い込んだ樹は弱り、枯死することもあり、一匹の虫が与える影響で考えるとカミキリムシの被害が柑橘栽培では最大とも言われています。カミキリムシが入りやすい品種やまだ幹の細い若木の園では農薬で対応する必要も出てきますが、それだけではなく成虫の捕獲や天敵を利用することで個体数を減らす取り組みも行っています。

 


 

消費者のみなさまへ

同じ樹になった果実でも一つとして同じものはないように、無茶々園の箱の中には様々な大きさ・見た目のものが入ります。「見た目の良い物」や「サイズを揃えてほしい」といったご要望には応えにくいのですが、ご贈答などにお使いの際は無茶々園の栽培方針や取組を紹介している品種紹介チラシに加えてさらに詳しく記載したパンフレットを添えてお送りすることも可能です。

みかんは皮をむいて中身を問題なく召し上がっていただくことが第一。農薬の使用をできるだけ抑え、サイズ分けしないことでどうしても見栄えは悪くなりますが、無茶々園では外観などが重視される市場流通よりも消費者の皆さんの理解を得ながら直接お届けすることにこだわっています。

 

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